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山井 英樹*; 小西 哲之; 原 正秀*; 奥野 健二; 山本 一良*
Fusion Technology, 28(3), p.1591 - 1596, 1995/10
LPCE(液相触媒交換)法はトリチウム水からのトリチウム濃縮・除去に有効である。この処理法では水-水素の相交換器が必要であり、従来法では電解漕でのトリチウムインベントリと電力消費が問題となる。原研においてトリチウム水分解のために広範な研究を行ってきている固体電解質セルは、この問題を解決しうる。このセルでの反応は自発的に起こり、したがって原理的にはほとんどエネルギーを消費しない。内外表面に白金を塗布したジルコニアセラミックを用いて実験を行った。相変換の効率は、電極間の電気化学ポテンシャルの函数である。相変換効率の実験結果はほぼ理論値と一致した。またトリクルベッドに基づく疎水性触媒充填の向流接触水-水素交換塔は現在研究中である。白金を担持したスチレンジビニルベンゼン共重合体を充填した比較的短い塔を用いて予備実験を行った。今後は長尺化した塔と固体電解質セルとの結合を計画している。
山井 英樹*; 小西 哲之; 山西 敏彦; 奥野 健二
Fusion Technology, 26(3), p.654 - 658, 1994/11
LPCE(液相触媒交換)はトリチウム水からのトリチウム濃縮・除去に有効である。従来のLPCE塔は鉛直な直線塔であるが、われわれは螺線型の新しい塔を提案した。塔の性能は2つの容量係数で定量化でき、同係数を知ることは塔の特性評価と最適設計を行ううえで重要である。この研究の目的は動作中の塔における容量係数測定法の確立とその測定、さらに螺線塔の技術的成立性を調査することにある。検討と実験の結果、塔両端の液・蒸気・気相における同位体濃度を実測する方法で容量係数を測定する方法を確立し、空塔速度に対する同係数を実測した。また塔内面に粗面加工を施す事により、傾斜(螺線)塔でも未加工・鉛直時と同等の性能が得られることがわかった。この事は螺線塔の技術的成立性を示すものと考えている。
高松 武一郎*; 橋本 伊織*; 木下 正弘
J.Chem.Eng.Jpn., 16(5), p.370 - 377, 1983/00
被引用回数:24 パーセンタイル:83.93(Engineering, Chemical)水-水素間同位体交換法を利用した多段型重水濃縮塔に対し、1つの強力なシミュレーション手法を開発した。通常の蒸留塔と比べると、本塔は、水・水蒸気・水素ガスの3つの流れが存在すること、種々の同位体交換反応が起ること、塔のコンフィギュレイションがはるかに複雑であることなどの特徴を持つ。主計算ループはニュートンラフソン法であるが、その独立変数の数をシーブトレイの数にまで巧妙に減少させてある。塔内の重水濃度がきわめて高い場合にでも適用できることが、分離係数を導入して定数扱いとする従来のシミュレーション手法にはみられない大きな利点である。